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2009年「橋本龍太郎APFED賞」受賞者
2009年の「橋本龍太郎APFED賞」は以下の団体に決定しました。 授賞式は、金賞及び銀賞を受賞した団体を招待し、2009年7月30日-8月1日に石川県能登にて行われたAPFEDII本会合の一環として開催されました。 また、石川県内で実施される持続可能な社会づくりを目指す取り組みを行う優良事例を「橋本龍太郎APFED表彰プログラム・石川県特別賞」として表彰しました。
金賞
森林周辺住民の生活水準向上と自然環境の保全:侵略性外来植物を使った工芸品(インド)
実施団体:Ashoka Trust for Research in Ecology and the Environment, Bangalore (ATREE)
  インドの森林周辺の住民は竹を主な収入源とし、森の資源を生活の基盤としているが、近年、竹の大規模な採取により彼らの生活が脅かされている。そんな中、ATREEは、減少している竹の代用材料としてランタナ(クマツヅラ科の草、Lantana camara)を提案している。ランタナは世界史上最悪の侵略性外来生物10種のうちの一つであり、国内の固有種や生物多様性に多大な負荷をかけている。よってランタナを竹の代用として使用することは、社会的発展から取り残された貧困層にとって収入源となるだけでなく、減少してゆく竹資源への負荷減少と回復促進、しいては固有の生物多様性の回復促進へとつながる。四年間のプロジェクト実施期間中、250人の住民がランタナ工芸の技術を習得し、50種類以上のランタナ製家具のデザインが確立された。また、ランタナ工芸センターも設立され、ランタナ製品は都市部の市場にも進出している。定職を持たず貧困に苦しんでいた地元住民は、現在現金収入の60%をランタナ製品の生産から得るまでに達している。また、貧困に苦しむことの多い女性が職人の80%を占め利益を得ていることも、ひとつの大きな成果と考えられる。
銀賞
フィリピンにおける米の自給を目指した合鴨水稲同時作の活用 (フィリピン)
実施団体:Philippine Agrarian Reform Foundation for National Development, Inc. (PARFUND)
  合鴨水稲同時作は、1986年に日本の古野隆雄氏により開始された有機農法である。PARFUNDはフィリピンでもこの農法の導入を試みたものの、政策において先端科学技術が優先されていたため、はじめはあまり進展が得られなかった。しかし、多くの農家が薬品調達による借金を重ねる中、古野氏本人の指導のもとPARFUNDは地元の農家や地方自治体に対して合鴨を使った有機農法の普及啓発、情報提供を行い、米の生産率を上げることに成功した。無農薬であるため参加農家の支出は減り、米の生産量増加と、雛や肉を売ることのできる鴨の飼育により、収入は増えた。また、農薬を使わないことにより子供を水田に近づける危険性がなくなり、子供が楽しく鴨の世話をする家族参加型の農業が確立された。政策面でも、現在事業がおこなわれている地方では、農薬の調達だけに支給されていた補助金が、鴨の調達にも適応されるなど、重要な進歩がみられる。
スリランカの地方社会における持続可能な電力供給のための官民連携(スリランカ)
実施団体:The Energy Forum Ltd (EF)
  スリランカには豊かな自然があるものの、極限の貧困に苦しむ住民が多く、彼らは定職もなく、電力供給もないような環境で暮らしている。そんな人々のために、環境に配慮した持続可能な形で生活水準の向上を支援したいと考え、エネルギーフォーラム(EF)とFederation of Electricity Consumer Societies (FECS)は環境負荷の低い小規模水力発電による電力供給のプロジェクトを開始した。このプロジェクトは、スリランカの地方社会における持続可能なエネルギー供給の普及を図ることで、発展途上国でも持続可能な社会づくりと気候変動対策の最先端に立てるということを証明しようと試みた。現在、300程の村レベル水力発電事業が確立され、約一万世帯に電力を供給している。電力供給が開始されたことにより、コンピューターセンターや美容院、製粉場などといった事業に成功し、貧困から抜け出す住民もでてきた。また夜の間も活動が可能になったことにより、子供たちの勉強できる機会が増え、教育の充実にもつながった。さらに、2007年にはスリランカ持続可能エネルギー局が設立され、EFが代表の一人を務めている。
奨励賞
ココナッツを使用した農環境システムと効率的な産物利用の促進:農場収入向上、環境の質向上、および天然資源の保全に向けて(インド)
実施団体:Peekay Tree Crops Development Foundation
主要生産物がココナッツであるこの地区は、コイア紡績業がこの地区に住む世帯の60%以上の生計の糧となっているものの、その大半の世帯は1日1ドル以下の生活を余儀なくされている。これは、この地区の土壌に生物多様性が存在しておらず、結果浸食や土壌の質の低下による生産量の低下によるものである。また生産に従事する女性の健康にも害を与えている。生物多様性を保全する農環境システムの普及や環境を配慮した産物利用技術の促進、コイア紡績業の労働環境の改善、能力育成等を目指し、温室効果ガス対策用の貯蓄場の設置や農場の生態系基盤の強化、女性の労働環境の保全を実践した。その結果、環境面だけではなく、食糧生産や収入、雇用、コミュニティの積極的な参加、女性の生活面の改善、地元の若者の能力開発といったさまざまな側面に成果をもたらし、またこのプロジェクト受益者への寄贈を獲得することができた。
普者K湖(Puzhehei Lake)流域浄化プロジェクト 第2フェーズ(中国)
実施団体:Yunnan Environment Development Institute (YEDI)
普者K湖(Puzhehei Lake)は、中国の雲南省にある湖だが、周辺地域における農業廃棄物の管理不足による水質汚染が深刻になっている。管理不足は主に意識不足が原因となっていたため、YEDIは周辺農村のトイレ設置、コミュニティと地元の学校における環境教育、農業廃棄物の堆肥化、情報共有と普及啓発、の4つの事業を中心に普者K湖の浄化を図った。結果として自治体も含む地方社会において、環境管理に関する意識が高まり、普者K湖周辺の経済的利益と環境の質の維持とのバランスが向上された。また、地元住民の自己管理能力も育てられ、官民連携にも改善が見られた。

「橋本龍太郎APFED表彰プログラム・石川県特別賞」受賞者
石川県特別賞 金賞
民間まちづくり会社とNPOによる御祓川再生事業(石川県七尾市御祓川流域、能登地域)
実施団体:株式会社御祓川
  この御祓川再生事業は、汚染が進んでいた御祓川の浄化とともに、自然資源の循環・地域経済の循環・思想の循環をつくり、イエ・ミセ・マチの関係を再構築することを目指すものである。1999年に民間まちづくり会社として設立された株式会社御祓川は、川への祈り実行委員会や御祓川浄化研究会を設立した。大学や専門家、行政との共同研究により、微生物による散水ろ床方式と植物(ビオパーク)によるリン・窒素の除去力を活かして、排水路の水を浄化する浄化システムを完成させることができた。ビオパークで育つクレソンをクレソンケーキとして商品化し、売上の一部を川への祈りFUNDに寄付するしくみを構築。多くの人が浄化システムの運営に関わり、クレソンケーキを食べることで浄化に協力するという形で、市民と川との関係を取り戻そうとしている。 御祓川沿いに店舗が整備されることによって、日常的な賑わいが創出された。さらに、御祓川沿いで行われる各種イベントも増えており、地元の商店街や各種団体が川を使って楽しむようになった。日常の風景として、川沿いを散歩したり、デートをしたり、子供たちが釣りに遊びに来るようになったことが、大きな成果である。
石川県特別賞 銀賞
羽工の省エネ活動は地球への恩返し (石川県立羽咋工業高等学校(校舎)内及び周辺の海岸)
実施団体:石川県立羽咋工業高等学校
  石川県立羽咋工業高等学校は、平成12年より2ヶ年間メダカのすむエコスタディ・ゾーン整備事業を行い「メダカ復活プロジェクト」「省エネ・省資源を中心とした環境教育」に取り組んだ。また、平成18年11月より活動宣言及び環境負荷低減等のための目標を立て、電力使用量削減、ごみの削減とリサイクル、水使用量削減、紙の節約、グリーン購入の推進、燃料の使用量削減、教室・実習室の戸締まりを徹底してきた。また、海岸清掃ボランティアによる環境意識の高揚を図っている。 環境学習実践事例公開(水中生物観察、ソーラー及び風力発電のコンピュータ学習、ミニソーラーカー製作実習)や、「メダカのすむエコスタディ・ゾーン」での児童生徒との懇談会を通して地域の自然環境を大切にしようとする心を育んできた。また平成20年度は、約6.3%のCO2排出量削減、17.4%の水使用量削減に成功した。前年度の数値データを下回るという目標は毎年着実に成果が上がっており、今では生徒が自主的に関心を寄せ行動している。
石川県特別賞 銅賞
地域協労の森林整備・里山保全活動(石川県内:輪島市、羽咋市、津幡町、白山市、能美市、加賀市における9か所)
実施団体:石川フォレストサポーター会
  石川フォレストサポーター会は、石川県下において森林整備・里山保全活動を行っている。能登、金沢、加賀地域に於いて地元住民と一緒に活動することを大切にし、ボランティアの根源である社会的な活動を旨としている。下草刈り、間伐、枝打ち等の作業と共に、森作りの重要さを伝えるための普及広報活動も行っている。市民の理解を得ると共に指導者を養成するための講座の開設、研修・講習会も同時に開催している。行政や林業関係者が主催する森づくり活動への参加協力も活動の一環として積極的に行っている。 人工林整備、里山整備、竹林伐採、植樹、松林整備、森林整備などを通して様々な成果がみられた。例としては、竹林が川へ倒れなくなり水害の危険が減少したこと、地域、企業、学校、行政の参加者が増え、水源涵養、森づくりの意識が高まったこと、地域と一緒に里山資源の活用と希少植物の再生を行う計画作成につながったこと、サポート活動がきっかけで地元住民の自主活動が始まったことがあげられる。
石川県特別賞 入賞
SEP聖高エコプロジェクト(世界一エコな学校をめざして)(石川県立大聖寺高等学校および近隣の山林(加賀市三谷地区))
実施団体:石川県立大聖高等学校
  地球環境の悪化について、学校全体としての取り組みが必要との意識が教職員の間で高まったこと、林業従業者の高齢化に伴う人工林の荒廃対策に学校として協力したいと考えたことから、2002年より大聖高等学校は聖高エコプロジェクト(SEP)を開始した。二つの活動のうち一つは、学校から排出されるCO2を毎年5%削減(前年度比)する、「ストップ地球温暖化」である。節電、節水、ゴミの削減と3Rの推進、紙使用量の削減、グリーン購入の推進、エコ目標の設定とエコチェック、環境教育の充実、校舎の壁面緑化、教職員のエコ通勤などに力を注いでいる。もう一つの活動は、生徒が地域住民と協力して行なう森林保全活動(下草刈り、間伐、枝打ち、植林、登山道整備など)である。 SEPを始める前(平成13年度)と平成20年度を比較すると、CO2排出量、電気使用量、水道使用量、ゴミ排出量、紙使用量において、15%から47%の削減が見られる。また、山林ボランティアによる成果は、森林面積約100haが整備されたことがあげられる。
CO2削減・吸収型金融商品で取り組む地球の温暖化防止事業(環境配慮型金融商品の販売:石川県内全域 森づくり活動:石川県鹿島郡中能登町の石動山 )
実施団体:のと共栄信用金庫
  のと共栄信用金庫は、豊かな自然に恵まれた石川の環境を保全し、次代に自然豊かなふるさとを引き継いでいくことは、企業市民としての責務であるとの考えから、平成19年9月に「のとしんエコプラン」を策定した。活動内容は、「CO2削減」・「CO2吸収」型定期預金の発売と、「森づくりファンド」による県有林での森林整備である。「CO2削減」型定期預金は、家庭等でCO2削減に取り組むお客様から預かる定期預金利率を優遇して家庭等での環境保全活動を応援するものである。もう一つの「CO2吸収」型定期預金においては、森づくりに賛同する預金者からの寄付金と当金庫からの拠出金をもって森づくりファンドを確立し、森林整備に充てている。 『CO2削減』型定期預金は期間中800を超える家庭から約20億円近い申し込みがあった。森づくりファンドは、最終的には200億円を超える申し込みを得た。これによる森づくり活動資金は1000万を超え、森づくりを通じての環境保全活動に対する地域住民の期待が寄せられたと言える。平成20年度は県有林3haを整備し、これによって県の「CO2吸収量認証制度」で、当金庫の森づくりによる二酸化炭素の吸収量は、『37.5CO2−トン』と認定され吸収量証書の交付を受けた。
鴨池田んぼクラブ(石川県加賀市片野町子)
実施団体:加賀市鴨池観察館友の会
  減反政策による水田耕作放棄と農業機械化に伴う水田の乾田化の影響で、鴨池に飛来するガン・カモ類の数が減少していく中、1996年、「鴨池たんぼクラブ」の活動がスタートした。昔ながらの水田耕作、無農薬・有機栽培の稲作が生物にとって良質な生息環境を提供していることを一般市民に伝え、ラムサール湿地である片野鴨池とその周辺の良好な環境を維持することを目指している。1997年には、鴨池観察館友の会が石川地域づくり優秀賞を受賞した。 活動内容は、鴨池内で昔ながらの稲作を行う「水田管理」、鴨池周辺地区の生産組合の協力を得て、冬季に水田に水を張り、ガンやカモ類の採食場を増やす「冬水田んぼ」、農家と契約し、減農薬、減化学肥料で栽培した「加賀の鴨米ともえ」を販売した収益金を会の活動の運営費とする「鴨米販売」の三つがある。 これらの活動の結果として、市民の野生生物への関心の増大と環境保全意識の向上が得られた。また、啓発活動や組織化により鴨池の重要性が認識され、鴨池の保全についての色々なアイデアが集まってきた。
受賞事例を含め、今回応募された事例のうち、応募要件を満たしたものは、APFEDが運営する優良事例データベース「APFEDデータベース」にて登録・公開されます。本表彰制度では、優秀な事例を表彰するのみならず、持続可能な開発に向けた様々な取組みから得られた知識や知恵をデータベースに蓄積、公開することによって、域内での共有とその普及を目指します。
APFEDデータベース: http://www.apfed.net/ki/database/
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